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2018年のダボス会議でユヴァリ・ハラリさんは、特定の企業がデータを独占する社会への懸念を述べました。データ社会がインクルーシブネスを実現するというグッドシナリオとは逆にディストピアをもたらすというバッドシナリオです。さらにコロナ禍の状況を見ると、もう一つ国家による監視が強まって市民の自由が奪われるというデータ監視社会というバッドシナリオもある。Society 5.0の目指す、皆が活躍できるよい社会に向かうには、この二つの崖の間の細い尾根を前に向かっていかなければなりません。  サイバー空間とフィジカル空間の融合が進む中で、両者を合わせた「グローバル・コモンズ」を保全することが重要と考え、東大は去年8月にグローバル・コモンズ・センターを設置しました。各国がグローバル・コモンズの保全にどのくらい取り組めているかを示すための統合フレームワークと指標、Global Commons Stewardship Index (GCS Index)の開発を進めています。昨年12月の東京フォーラムでは、この構想について世界のリーダーと議論し、GCS Indexの試行版を発表しました。サイバー空間の指標化はこれから取り組む課題です。 林 コンピュータサイエンスは広い世界の要求や動きと連携して進めるべきだとの旨を村井先生は著書で述べていました。総長の認識もその延長にあるようです。 internetは人間の「スノコ」 慶應義塾大学教授 村井 純 MURAI Jun 1984年に学術ネットワーク「JUNET」を設立し、日本のインターネットの礎を築く。慶應義塾大学のSFC研究所長、常任理事、環境情報学部長などを歴任し、2020年から内閣官房参与も務める。 村井 Internetからinternetへ、普通名詞となったインターネットの意味は以前と変わり、人類全体のプラットフォームとなりました。がけっぷちの問題が生じたのはそのため。人間の発想や創造性を広げる一方、守備範囲もふくらみ、責任と役割が増えた。足元がどんどん上がってきた感じです。 林 著書ではそれを「スノコ」という言葉で表現されていましたね。 村井 自分が人の足の下にあるもの以上をつくっていると思うなよ、という文脈で学生に言ってきました。 喜連川 コンピュータの要素は、計算、記憶、相互結合の3つです。相互結合には以前から通信があり、その一形態がインターネットです。計算はスパコンに代表され、1976年のCRAYが最古参です。そしてネットが生まれ、記憶、即ち、デ ータが注目されたのは2009年4thパラダイムからで、比較的最近です。データ独占によるバッドシナリオというのは煽っているように思えます。ITの歴史は苦難の連続。極度に恐れることなく良いシナリオを作ってゆくことが肝要です。 村井 インターネットユーザーは2000年に世界人口の6%、2020年には60%を超えました。6%のときはインターネットで良いことをしようと皆が考えましたが、使う人が増えれば当然abuser(悪用する人)も増え、それが崖っぷち問題を生みます。問題に対応するには、コンテンツへのトラストがあるかどうかが肝になります。  インターネットで個人データが最初に活用されたのは、1996年のアトランタ五輪です。IBMが閲覧履歴からページをカスタマイズして表示しました。これを見てビジネスになると気づき、ネット広告を展開して成長したのがヤフーで、検索に紐づけて成長したのがグーグル。こうして個人データの価値が明らかになりました。先日、政府の委員会で検討するために海賊版漫画のサイトを見たら、国税庁の広告が表示されました。個人の閲覧履歴をもとに関連の高い広告を表示するインターネット広告の技術的仕組みとしては仕方ないとはいえ、広告のエコシステムが壊れてしまっている。フェイクニュースなどの問題の本質もこのあたりにあるのではないでしょうか。ただ、これは修正できるはずです。コアにあるのはコンピュータサイエンスですが、いまや、皆の力、特にメディアやジャーナリズムの力が必要です。 林 意図的に悪さをしようとする人に対しては、対策も考えやすいものです。ただ、現在の崖はそれだけではない。社会には、個人の意図とは関係なく、偏向した権力分布や消費社会の磁場の中で、集合的に無意識のうちに悪い方向に進むというダイナミズムがあります。それが、6%から60%にユーザーが広がるなかで強化されてきたように思います。 喜連川 技術の不具合はインターネットに限りません。例えば化学者が生み出したプラスチックが最近大きく叩かれていますが、極めて大きな便益を人類に与えたのは事実です。学者の責任をそこまで問うべきでしょうか。科学技術全てが常に明と暗を有しています。インターネットを作った人を責めるのは酷です。不具合が出たら直す。「Fail Fast」の精神で。 五神 科学技術は、法や社会システム、人々がどう動くかの経済メカニズムとも連関させていかねばなりません。経済、法学、歴史などの専門家とともに考え、よいモデルを見つけることができれば、新しい価値をもたらせるはずです。 村井 abuseは「濫用」「悪用」。対義語は「適用」「善用」です。この「善用」の意識が広がっていると私は見ています。1995年の阪神・淡路大震災のとき、日本人はインターネットの価値を理解しました。マスメディアは犠牲者の話しかしないが、インターネットでは人助けにつながる情報が流通していると気づいたんです。2007年にiPhoneが出て位置情報の活用が広がり、2011年の東日本大震災では人の安否がわかるようになり、そして現在のコロナ禍です。インターネットを社会のために使う流れは強まっています。ドコモの「モバイル統計情報」サイトでは、人流を常時把握し個人を特定せずに公開しています。個人情報を上手に扱えば公共に役立つことを日本人はもう知っています。 五神 崖の上で監視社会側の谷に落ちずにがんばっている感じでしょうか。 林 喜連川先生も災害情報に取り組んでいますね。   匿名化した情報では足りない 国立情報学研究所(NII)所長 喜連川 優 KITSUREGAWA Masaru 生産技術研究所教授。2013年より現職。米国ビッグデータ施策の7年前に特定領域「情報爆発」プロジェクトを開始してデータの中心的研究者を務め、情報処理学会会長などを歴任。専門はデータ工学。 喜連川 デジタル防災の社会実装の取纏めをしています。阪神・淡路大震災の際、避難しない人が多かったそうです。慶應の先生が調べると、避難を拒否したのではなく次にどうすればいいかの情報を待っていたと。3.11の際、我々はツイッター解析を行い、「~がほしい」の~に何が入るか被災者が何を求めているかを調べました。一番多かったのは「情報」でした。災害時は情報提供が最も重要だという同じ結論が出たのが印象的です。ではコロナ禍で経済活動と感染防止を両立させる方法はあるのか。国家が国民に「個人情報を一定期間だけ提供してくれないか?感染源を特定できるので、感染を短期間に収束させ、経済ダメージを最小限に必ずします」と問うのはどうかと思います。ただ日本では政府と国民の間にトラストがないため、実施不能なのが残念です。 林 トラストは本来双方向で醸成されるもので、国民が政府を信じられないというのは、国民の問題だけではないはずです。そこには、信頼を得られない不透明な政治の歴史や、政府と市民とのコミュニケーション不足が背景にあると思います。政府に限らず、近代国家にはシステムをつくる側と国民との意思疎通が十分あるとはいえなかった。こういうところにインターネットは役立てるでしょうか。 喜連川 教育が鍵。政府の教育再生デジタルタスクフォースに参加していますが、コロナ禍の教育を調査したらすごい学生を発見しました。大半の学生は授業の生中継を望みます。たくましいその学生は録画を望むのです。デジタルをフル活用して早送りで見られるから。簡単な所は飛ばして難しい所だけ丁寧に見るのです。 五神 DX活用の要諦は個の多様性への対応です。今の話はまさにその好例です。コロナ禍でカスタマイズが広がると、全体としてよい教育、よい社会の姿が見えてくるかもしれません。 村井 山形県の鶴岡に慶應義塾大学の研究所があり、ここを起点にベンチャーがたくさん生まれて地元経済が活性化しました。ところが、子供ができると彼らは東京に出ていこうとする。よい教育を受けさせるには東京というわけです。教育が地方経済の鍵を握ると思いました。 喜連川 授業を大学からアンバンドルし、東大や慶應の講義を講義共有プラットフォームから誰でも見られるようにする。当然地方からも。自然淘汰が起こり、教え上手な講義だけが残るでしょう。共通科目を教える先生はずっと少なくていい。 東京大学総長 五神 真 GONOKAMI Makoto 2015年より現職。専門は光量子物理学。個を活かす持続可能な未来社会をデジタル革新が拓くという信念は『Society 5.0』(日立東大ラボ編著/日本経済新聞出版社/2018年10月刊)に詳しい。 五神 実は東大では、海外の先生のオンライン講義だけで単位を認定するプログラムを検討していまして、来年度には試行を始める予定です。 村井 米国でMOOC※が始まったとき、教員の仕事がなくなると言われましたが、いまは誰も言いません。個々の教員がやるべきことは他にたくさんあるからです。地方の大学でないとできないこともある。NIIの主導で進めてほしいです。 喜連川 村井先生に応援していただけるなら是非とも講義共有プラットフォームをNIIで作りたいと思います。 五神 コロナ禍の打撃から起き上がり残るのは、リアルの価値を高めた大学だけではないかと思います。そのためにもサイバーですむところはそうできるようしっかり進めておかねばなりません。 林 リアル空間とサイバー空間の両方で教育が進むと、一方通行的な「講義」では済まされない。求められる教員の資質も変わるのではないかと思います。 村井 両者はそれほどわかれてはおらず、むしろ密につながっている気がします。 五神 デジタル技術には個の多様性に応じる力があります。いい先生が一人いれば他の先生はいらないかというとそれは違う。同じ科目でも様々な教え方があり学び方も多様です。学生の個性に対応できるようマッチングさせるのが重要です。 喜連川 一人とは言ってません。少数になるでしょう。教育のデジタル化の最大のご利益はおちこぼれ防止です。学生の躓きは人間よりデジタルの方がずっと正確に把握できる。コロナ禍での発見です。 ※Massive Open Online Courses   マンツーマンこそ教育の価値 五神 リアルの場ではマンツーマンが重要です。研究室では、卒業までに教員は何百時間も学生と個別に対話します。そこから生み出される教育の価値はかけがえのないものです。 林 学生には、条件のよい出自の人、つまり村井先生の表現をお借りすれば、堅牢で良質なスノコを持っている人もいるし、不安定でガタガタのスノコしか持たない人もいます。スノコそのものを持たないで、進学できない人、あきらめる人もいます。インターネットという新たなスノコの力で、大学のダイバーシティの景観は変わるでしょうか。  村井 インターネットが多くの人に高等教育へのアクセシビリティを確保するとわかれば、人々の意識は変わるはずです。 喜連川 学問は多様化し細分化しました。細分化された個別の学術に誰もがアクセスできるようにすべきと考えます。一つ気になるのは研究者の評価を大学が外部化していること。以前は論文がなくても大学が優秀と認めれば学位が授与されましたが、今は査読付論文が何本必要等と評価を外に頼ります。結果、ちまちました論文が増えている気がします。 データには分断を進める力も 東京大学情報学環教授 林 香里 HAYASHI Kaori ロイター通信社記者などを経て、2009年より現職。著書に『メディア不信』(岩波新書)ほか。2020年より東京大学 Beyond AI 研究推進機構 B’AI Global Forum Projectリーダーを務める。 林 ご指摘の点は、学術領域にデータサイエンスが進行した際の負の面です。学術の世界もデジタル化が進み、論文の引用数などがすぐわかるようになりました。データサイエンスは社会に貢献する一方、社会の分断を加速するパワーにもなると思います。データサイエンスの功罪を見極めて新たなシステムを構想しなくてはなりません。 五神 無から有を生み出すには、普通の論文を書くだけではだめですね。2年前の夏にアップル本社を訪問しました。技術者は論文執筆など求められないし書きたいとも思っていないようですが、研究は大好きで没頭していました。そこは従来の大学モデルとは全く違う知の創造の場でした。今後は大学にもそのような要素が求められるかもしれません。 村井 イカれた大学、まじめな大学、ベンチャーをがんばる大学などと大学が多様化したらいい。東大は尖った研究に特化してほしいところですが。 喜連川 大学ではオリジナリティを問い過ぎで、まさにアップルにいるような人材を大学が生み出す必要がある。技術を社会で使える段階まで高めることを評価する風土がないのが課題です。 林 村井先生のご著書に、人類の歴史は、メディア・テクノロジーの限界によって多くの情報を切り落としてきたが、インターネットでいままで切り落としてきた情報をもう一度復活できるのでは、とありました。アカデミアの評価も、古い制度の枠内で、均質的な成員の間だけで評価システムをつくってきたと思います。しかし、インターネットによって、学問として評価される別の軸が生まれ、これまでの枠からはみ出るような人も活躍できる大学になるといいなと思います。 村井 人と違うことだってできる若い年代の成長には、寄り添って話せる教員や先輩や仲間との出会いが必要で、大学の役割はその場になることだと思います。 五神 私は大学が社会変革を駆動すると言ってきました。若い人がもがくエネルギーを変革に活用したかったんです。変化を楽しみ、それを社会に役立てたいと思っている若者は実際に増えていると感じます。3.11を若い時分に経験したことが影響しているのかもしれません。コロナ禍から起き上がった時に、活躍する人がたくさん出てくるのが楽しみです。 喜連川 昨年6月、トロントのスマートシティプロジェクトをグーグルがやめたと報道されました。データ駆動の難しさが象徴的です。Society 5.0に向かうトラストを具現化するのは企業ではなく大学。6年前に総長が描いたことが実感をもって語れる時にきましたね。 五神 その責任がある大学が、旧態依然の縦割りで隙間だらけのままではいけません。それを埋めるにもダイバーシティが重要ですね。絶妙なタイミングで総長をやらせてもらったとあらためて実感しています。 座談会開催日=2021年1月27日 撮影/貝塚純一   関連リンク 広報誌 「淡青」42号 淡青 このページの内容に関する問い合わせは本部広報課までお願いします。 お問い合わせ ソーシャルメディア 東京大学における災害時の情報発信 サイトマップ サイトポリシー プライバシーポリシー 採用情報 UTokyo Portal utelecon よくある質問 本サイトの管理・運営は広報室が行なっています。 各ページの内容に関連するお問い合わせは、当該ページに記載の問い合わせ先までお願いします。 アクセス・キャンパスマップ © The University of Tokyo 柏キャンパス 本郷キャンパス 駒場キャンパス アクセス・キャンパスマップ 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