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(葛西先生)経済的な問題を除けば、離婚によって「生まれ変わった」「前向きになれた」という声はとても多いです。 現在、母子世帯だけでなくDV被害者の住宅問題も研究していますが、コロナ禍の外出自粛によって家族が密接な空間で暮らすのは、暴力を誘発する材料にもなりかねません。DV被害が原因で離婚すること、つまり、暴力の生活から逃れることは、お母さんと子どもの体や心を守るという意味で、大きな改善の一歩です。 こういった場合、離婚によって、精神的には良い方に向かうのですが、多くの人が経済的な部分で支援が必要になるのが現実です。 子どもの貧困支援の強化や、女性が婚姻期間中も働き続けられる仕組みを作るなど、女性の経済的な問題を根本から見直す必要に迫られています。 暮らす場所、働く場所 (編集部)今後、人々の暮らしの形はどう変わっていくのでしょうか? (葛西先生)今後は住まいにも「働く」という機能が求められるだろうと強く感じましたね。コロナの影響で在宅勤務になり、自宅でも仕事ができると気づいた人も多いのではないでしょうか。 1980年代ごろから、ライフスタイルは多様化し、それに伴い、家族の在り方や意味も大きく変わりました。しかし、人間の生活は大きく変化したにもかかわらず、その器である「住宅」のデザインはほとんど変わってこなかったことには違和感を抱きます。 例を挙げると、コロナ禍の中、私の家ではオンライン授業の子どもと、オンライン会議をする私や夫の間で、場所の取り合いが起きています。外に出ればシェアオフィスもありますが、単純な作業スペースとして作られているため、オンライン会議には向きませんよね。働き方の変化を考えると、併せて、住宅不動産市場も変化していかないわけにはいきません。 例えば、空き家活用にしても、単なる住まいや従来型のオフィスとして貸すだけではなく、外に開いた会議室としてしつらえていくなど、さまざまな方法が考えられます。 より現代の人々のライフスタイルに寄り添ったワークスペースを展開すれば、新たな市場が生まれていくことが予測できます。 コミュニティを活かした場所づくり (編集部)母子シェアハウスにも変化が起きるのでしょうか? (葛西先生)そうですね。これまで、人が集まることをメリットと捉えシェアハウスの研究をしてきましたが、今回のコロナ騒動で「集まることがリスクにもなる」という盲点に気づかされました。 他人が一緒に暮らし、支え合うことができるのがシェアハウス一番の魅力です。入居者も協力し合えるコミュニティを強く求めています。しかしコロナによって、居住空間や設備を共有するリスクの高さが浮き彫りになりました。 今後は、水回りが完結したいわゆる一般住戸に、コミュニティをいかに接続するかという事も想定していかなければならないと感じています。例えば、ハイツなどが一棟丸ごと空いた場合、1階をコミュニティ空間にして、2階より上を世帯別の居住空間にするのが一つの方法です。 人々がコミュニティを求めているという事実を踏まえ、コロナのような不測の事態をも考慮し、住まいをデザインしていくことが今後求められるでしょう。 いま必要な支援と住宅政策 母子シェアハウスの外観(ペアレンティングホーム金沢文庫) 住宅支援を受けられなかったら (編集部)今後必要な住宅政策についてお聞かせください。 (葛西先生)コロナ禍で住宅の喪失などに直面している人々に対して、国は、住居確保給付金の利用緩和を決めました。しかし、まだまだ使いにくい現状があります。例えば、貯蓄額が基準を超えているために受給ができないという声もありました。 食費も削りながら子どもの教育資金をコツコツ貯めてきたある女性は、貯蓄額が基準を超えているために、給付金の支給対象から除外されました。その結果、大切な教育資金を家賃にまわすことになったといいます。ここでの問題は、住宅支援が困窮者支援となっていることです。住宅に困った人に、最低限の住まいを提供するというこれまでの発想から、普遍的な支援へと転換させることが重要です。 低所得者だけではなく、より幅広い層をターゲットに、社会保障として居住支援を位置づけていく。住宅を確保するために、子どもの教育費を削るなどということがないように社会を創りかえていく必要がありますね。 私たちにもできること (編集部)いま必要な支援や、市民にもできることはありますか? (葛西先生)アンケートでは「コロナで死ぬ前に餓死する」という声が挙がるなど、ひとり親の窮迫した状況が把握できました。「家計が苦しく自分の食事回数を減らしている」というお母さんもいます。 公的には、今後、母子家庭を含む生活に困る家庭に現金給付が求められる。それに加えて、私たち市民にもできることが残されています。多くの民間支援団体が、現金をはじめ、食料や衣料などの寄付を募り、ひとり親のほか、生活に困る当事者に届けるという支援を始めています。 アンケートでは、「死」を連想させるキーワードが多く挙がっており、正直、それを読んで心が痛みました。それをある支援団体の方にこぼしたところ、「死ぬ」は支援次第で「生きる」に変換ができる、と前向きな言葉をもらったのです。だからこそ、支援が必要であり、この支援は私たち個人にもできることがあります。 コロナが蔓延し、誰もが苦しい今の状況は、普段は見えなかった問題やその問題の解決策を一人ひとりが考え、向き合うことができる機会なのかもしれません。このコロナ禍によって、ソーシャルディスタンスを保った支え合いというものが芽生えることを心から願っています。 まとめ 葛西先生のアンケート調査から、もともと不安定な状況にあったシングルマザーの彼女たちが遭遇したコロナによる影響の実態が浮き彫りになりました。ひとり親への支援や空き家を活用した取り組みについて、行政の動きを見守りつつ、いま、自分たちにできる支援について考えていきたいですね。 この記事をシェアする! プロフィール 葛西 リサ (くずにし りさ) 追手門学院大学 地域創造学部 地域創造学科 准教授 学術博士専門:住宅政策、居住福祉 2007年 神戸大学自然科学研究科博士課程修了 2020年~ 追手門学院大学 地域創造学部 地域創造学科 准教授 主な著書に『母子家庭の居住貧困』(2017)等 多数 研究略歴・著書・論文等詳しくはこちら 取材などのお問い合わせ先 追手門学院 広報課電話:072-641-9590メール:[email protected] 追手門学院大学HPへ HOME > 社会とくらし > 【後編】コロナ離婚急増!?新たな住宅の在り方と、母子家庭に必要な支援について考える。 関連記事こちらの記事もおすすめです! 2024.02.28 社会とくらし 共同親権導入への議論が大詰めの日本。今こそ大切にしたい「子どもの最善」の視点 OTEMON VIEW編集部 善積 京子 2023.12.19 社会とくらし 人生最終段階の倫理と法。―あなたは尊厳死・安楽死をどう考えますか? 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