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DNAやそこからできるタンパク質をそのまま試薬、抗体として販売する。これは、試薬販売会社という形ですが、ユーザーは大学等の研究者しかいないので、年商にすると数百万~1千万円くらいです。2. 各種の診断薬販売や計測機器を製造する。これは、日本では未だ大きくない市場(2001年で約100億円)ですが、数億~数十億円の年商が見込めます。良い遺伝子を見つければそれなりの商売ができます。3. DNA情報や、タンパク質情報、化合物情報を利用して医薬品開発を行い、販売する。提携する大手製薬企業からのマイルストーン(段階的)支払型も多いですが、数十億~数百億円の売上が見込めます。ミレニアム社のようにバイエル社から500億円もらっているのもこのモデルです。このように同じDNAから始まっても、年商にすると数百万円~数百億円も違ってきます。ベンチャーを立ち上げるときには、単に、技術の善し悪しだけでなく、どのようなマーケットを目指し、ビジネスモデルをどう選択し、構築するかが非常に重要です。一例ですが、エリスロポリチンというたった1つの遺伝子で、国内市場は2001年に1200億円の売上があります。このように一つの技術でも大きな市場があるわけですから、何を目指し、どのような企業に育てるかは、ベンチャー企業とキャピタリストにとって非常に重要なポイントになります。それでは、我が国では、どのようなビジネスモデルを構築できるでしょうか?研究・開発ツール提供企業は生き延びることができるでしょう。ゲノム科学は、バイオ技術だけでは発展しなくなり、バイオ・エレクトロニクス、メカトロニクス、バイオ・インフォマティクスなど所謂周辺産業がゲノム分野に参入しています。研究・開発ツールの提供企業とは、そうした中で、ロボットやDNAチップを作って収入を上げています。たとえば、装置でもDNAの配列解析装置では高いもので6000万円くらいします。装置は世界中で1万台くらい出荷されています。元々のコアの基本技術は日本が持っていたのですが、ほとんどの装置は欧米で生産されています。日本のバイオ研究開発費のかなりの額は装置購入費として欧米企業に流れます。DNAのハイブリッダイゼーション装置でも同様です。DNAチップも進化し続けています。DNAチップとは、半導体加工技術を応用して、数ミリから数センチ角に数千個から数万個のDNAが着いています。ある病気に罹患しているかなど色々な情報を判別できます。まだ初期段階ですが、DNAチップという産業がでてきています。世界中でチップ・テクノロジー、所謂ナノテクノロジーを使ったチップが続々と作られ始めています。一つのチップ上で、試験管数千本分の実験を同時かつ短時間に行うことができます。コストも時間でも、非常に効率が良いのです。しかし、日本はこの分野ではかなり遅れています。DNAチップ製作装置がやっと出てきたところです。このような技術は全て日本にもありますが、残念ながら、日本企業はやっと始めたところで、ほとんど欧米からの輸入です。国が大学や企業に出すバイオの研究開発費をチェックすると、5~6割は、海外の機械を買うために使われています。どれをみても要素技術は日本にあるのに、数百億~数千億円が海外に流れています。ミレニアムプロジェクトのように政府が力を入れて海外にお金が出てしまい、国内の装置産業が育たないのでは非常にもったいないのです。ケーススタディ1 プレシジョン・システム・サイエンシズ社(田島秀二社長) 私がジャフコにいたときに投資した会社です。ベンチャーとしての事業展開は1995年でしたが、ジャフコの投資は翌年の1996年です。2000年にはナスダック・ジャパンに上場しました。その過程では、ビジネスモデルの変更が多々ありました。最終的にはロッシュ社とのライセンス契約で大きく伸びたのですが、ここに至るまでの間、毎月社長と提携先について大議論しました。ある日本企業にも話を持ち込みましたが、大企業側の研究者のプライドが非常に高く、ベンチャー企業の技術は使えないと判断され、提携できませんでした。そんなとき、米国の展示会で田島社長がロッシュの社長と会い、OEM契約に至りました。また、スウェーデンにDr. Uhrenという先生がいますが、この先生との提携も持ち上がりました。最終的には、世界で売れる機械にするのが鍵なので、とにかく契約するよう勧め、Uhren先生の所属するMagnetic Bio Solution社ともOEM契約しました。日本では東洋紡と提携してビジネス展開してきました。基本技術になぜ私たちが投資したかというと、DNA抽出実験に関する技術があったからです。それまでの実験では、試験管を使い、遠心分離機で回して沈殿と上澄みを取ると大変煩雑な作業が当然のように行われてきました。しかし、田島社長は、磁気のあるビーズを使えば全て自動化できると発想しました。これは重要技術だと思い投資しました。結果的に非常に上手くいき、遺伝子構造解読装置など次々と新製品ができてきました。Magnetic Bio Solution、ロッシュ、東洋紡、Geno Visionが販売提携先になってくれ、世界中に製品が出るようになりました。そして、上場できたのです。DNA関連機器は日本ではスタートしたばかりですが、このような分野でも公開まで行ける証明ができました。冒頭にも述べましたが、世界の流れは、DNAそのものからタンパク質に変わっています。タンパク質の関連機械にビジネスチャンスが巡ってきています。たとえば、質量分析装置によって千分の1秒でがんの判定などができますし、色々な使い方もできます。しかし、残念ながら、日本ではバイオ向けのタンパク質分析装置がなく、欧米のベンチャーから1台数千万円で購入しています。これからは、この状況を変えていかなければと思っています。同時に、機械だけでなく製薬分野でも日本でベンチャーを育てないといけません。ケーススタディ2 アンジェスMG社(山田英社長) 大阪大学の森下先生の遺伝子治療技術を使い1999年12月に創立したベンチャーです。遺伝子自体を大阪大学で発見し、シーズもそこからでてきました。ビジネスモデルは、大手製薬メーカーと研究開発提携をして契約一時金をもらい、契約後は開発協力金つまりマイルストーンを入れ、製品ができた後にはロイヤリティが入る仕組みになっています。特許も全て押さえて研究・開発を始めました。しかし、ベンチャーでワン・プロダクトカンパニーでは危険なので、事業の3本柱を作りました。ヒトの血管新生治療薬(HGF遺伝子治療)、デコイオリゴ(核酸を使った医薬品)、そして遺伝子研究用のベクター技術です。ベンチャー企業として生き抜くために3本柱を立て、短期、中期、長期の収入機会を含むビジネスモデルを構築しました。以上が日本国内のケーススタディですが、国際的に見ると、創薬会社化を目指すベンチャー企業は続々と大企業と提携しています。たとえば、アムジェン社はマウスの肥満遺伝子を20億円でライセンス取得しています。バイエル社はミレニアム社に$456M投資し、その条件は20~2 5個の遺伝子を発見するというものです。次々と新しい遺伝子を発見し、特許をとり、大企業に売るという流れになっています。また、タンパク質でも同じような流れがあり、OGSというベンチャーがアルツハイマーの標的蛋白質をファイザーに$45Mで売った例もあります。このように大企業がベンチャーにお金を払う動きは欧米では一般的であり、ベンチャー企業にとっては、如何にビジネスモデルに取り込むかが重要です。 発現プロテオミックスのインパクトタンパク質を研究する、いわゆるプロテオミックスは、とても重要です。身体の中では、分子が単独で存在するのではなく、一種の系となっていて、薬が入ってくると一部に作用し、それが系全体に伝わります。どこから入るともっとも効率的に治療できるかということが問題となりますが、こうしたプロテオミックスの解析はDNA解析とは違って、非常に解析が難しく、研究方法も多岐にわたります。それだけに、ベンチャー企業のビジネスチャンスになります。世界中のベンチャーが、タンパク質中心に衣替えしているのは、こうした理由からです。これまで長年かかった創薬の探索に対して、医薬品開発の最適化、臨床試験でわからない部分の確定に加え、タンパク質が色々な部分で非常に重要な役割を果たすことが分かってきました。そこで、今までよりもはるかに短時間で効率的に解析できる世界が広がるのです。バイオ業界ではDNAからタンパク質の情報を使う創薬に変わり、これが大型新薬を生むだろうと言われています。タンパク質解析機械も開発が進んでいます。世界中で開発戦争になっていますが、残念ながら日本はそれに追いついていません。日本の中で要素技術を持つところは、大学も含め、ベンチャー間で連携して世界と競争していくべきだと我々は考えています。 ベンチャー企業創立にあたって世界に互して競争するには、日本からもっとベンチャー企業が出なければならないと思っています。しかし、日本では、大学発ベンチャー1000社が目標といわれますが、正しい起業の流れを知った上で創業しているベンチャーは非常に少ないのが現状です。ベンチャーというものが何か分からないまま創業しているものが多く、実際には、混沌とした状況です。ベンチャーに真に必要なのは、自分のオリジナリティー、世界でのポジション、そして、何をビジネスモデルにするかを明確にすることです。誰が経営し、誰が研究し、誰が投資するかなど、人材の問題を含めてトータルなシステムの構築が非常に重要です。それを忘れると成功はおぼつきません。それには、ベンチャー企業成長のために、どんな資金供給源があるか十分踏まえた上でビジネスモデルを創らなければなりません。最初の投資は創業者で、その後(日本ではあまりありませんが)エンジェルがあり、そしてベンチャーキャピタルが何回かに分けて投資します。上場後は市場からも資金調達できますが、公開前にVCが支えきれる額は限られています。創業者のインセンティブを考えると、VCはあまり大きなシェアはとれません。逆算するとVCが支えられるのは数億~10億円だと思います。製品を売って売上を立て、大企業と提携してマイルストーンを組み込むなど工夫しないと生き延びていけません。実際の収入源をどう設定するかを念頭に置きつつビジネスモデルを組み、かつ大企業が提携したくなるテーマに仕立てることが、ベンチャー成功の鍵でしょう。 モデレータのコメント3つほどコメントします。1つは創薬のパラダイム・シフトです。イノベーション・マネージメントのあり方が、医薬の世界では完全に変わってきています。いちいちたくさんの試験管を振らなくても、チップ上で数万件の実験が同時にできてしまう。つまり時間とコストを大幅に節約することが可能になってきてます。更に大事なのは、同じ遺伝子をネタに使ってもビジネスモデルの切り取り方によって、事業としての結果が随分違ってくることです。創薬にいくのか、試薬でとまるのか、ここが問題になる訳です。優秀な研究者は色々なアイディアを持っています。最先端技術のロードマップ上では、その先を見通すと様々な有望分野の枝分かれがあります。ともするとCSOである研究者の興味は時々刻々と動きます。そこをキャピタリストとしてどうマネージするかがポイントになります。それから、装置を含め、日本にも多くの要素技術がありますが、ビジネスに仕立てるところが決定的に欠けています。しかし、そういった問題意識を持つ方々が大滝さんも含めて日本でも増えています。心強いことであり、日本にもまだまだチャンスが出てくるのではないかと考えます。 質疑応答Q:ベンチャーの設立を促進すべきとおまとめになりましたが、どのような人たちをターゲットに支援したら良いとお考えですか? バイオ・ベンチャーの場合では大学の教授、学生、国公立の研究者もしくは一般企業なのでしょうか? A:日本の人材は、非常に層が薄いと感じています。欧米のベンチャーを見ていて、経営者と研究者はまったく別にすべきと考えます。不幸なことが日本では起きていて、CSO(科学担当責任者)はいますが、ベンチャー企業の「経営」をするCEO、CFO(財務担当責任者)をできる人がほとんどいません。ベンチャーキャピタルにどのようにアピールしてお金を集るのかを含めて分かっている人が必要です。経営者は、技術もある程度理解し、財務を把握し、大企業とも交渉できる能力がないと、実際に会社を率いていくことができません。大学発ベンチャーでは、先生方が社長になることが多いのですが、先生方が二足のわらじを履くことは普通できません。アメリカではサイエンティフィック・アドバイザリー・ボードが、必ずベンチャー企業にはあって、大学の先生は、経営側ではなく科学アドバイザーとしてベンチャーを側面サポートしています。経営はプロが行います。研究者は、経営責任を負うことはないのです。そして、シリコンバレーなどで、ベンチャーが多数生まれてきています。日本での成功例はまだこれからなので今は辛い時期だと感じています。 Q:日本発の技術はたくさんあるのに、成功しているのはアメリカの装置という現象は半導体業界でも起こっています。何故、日本の既存企業は、そういったベンチャーと技術提携をしないのでしょうか? A:研究所(開発部)と本社のコミュニケーションがうまくいっているところが少ないのが原因だと思います。権力争いもありで、最後のDecision Makerを1年おきに交代するなどの現象が起こるほどです。さらに、研究所側はプライドがあるので、外部技術の受入れにはあまり良い顔をしません。 しかし、最近、製薬会社も変わってきて、ベンチャーの技術を使う動きがゲノムの特許にからんで出てきました。 Q:意思決定をするときに誰に話しをもっていくのでしょうか。たとえば、ケーススタディ-1の田島社長がロッシュの社長に話しを持っていったなど、誰にいうかで影響がかなりあるのではないかと思うのですが、如何でしょうか? A:日本の場合には非常に神経を使います。会社によって随分違います。会社によって調査しないと分からないという状態です。日本の会社では、窓口がはっきりしていないので、上に報告するのに1~2年もかかってしまいます。それで、ベンチャーは、日本の大手から離れて、世界に行くのです。日本の大手は、その結果「主流」から外れています。辛いところです。 Q:9月に1件IPOをお考えになっている投資先があるとのことですが、この厳しい時勢に出るのは、どのようなお考えからですか。 A:状況は確かに厳しいですが、最初から世界戦略を考えています。大手からの資金提供も決まっています。日本国内のマーケットは限られていますので、欧米に子会社を作り、世界同時に臨床試験ができるようになりました。2年間かけて準備してきましたので、日本の公開市場の様子を見て、資金調達に更に1~2年待つと、特に、この1~2年動きの速いバイオの分野で、世界的な大きなビジネスチャンスを失うことになります。そのために、資金調達の道を早くから確保しておきたかったのが、厳しい中で今回IPOする理由です。 Q:バイオ・ベンチャーを経営する人間が日本にはいないことが改めてよく分かりました。その問題はバイオだけではなくて、ITについても同じことがあると思います。そこで質問ですが、バイオ技術を知らない人間でもバイオベンチャーの経営ができるのでしょうか? A:欧米でも技術を分かっている人たちだけが経営している訳ではありません。むしろ、MBAを取っている人たちの方が多いです。技術の知識の問題ではなく、上場までの流れが分かり社内整備ができる人の方が良いのです。ただし、周りを全て技術者で固めることは必要です。日本でも今まで異分野の経営や株式に携わっていた人であれば、立役者の1人になれると思います。そのようなセンスがある人は日本にもいるはずです。 この議事録はRIETI編集部の責任でまとめたものです。 イベント シンポジウム ワークショップ BBLセミナー 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度 2009年度 2008年度 2007年度 2006年度 2005年度 2004年度 2003年度 2002年度 2001年度 終了したセミナーシリーズ 情報発信 ニュースレター 更新情報RSS配信 Facebook X YouTube 研究テーマ プログラム (2024-2028年度) プログラム (2020-2023年度) プログラム (2016-2019年度) プログラム (2011-2015年度) 政策研究領域 (2006-2010年度) 経済産業省共同プロジェクト プロジェクトコンテンツ 調査 フェロー(研究員) 論文 ディスカッション・ペーパー(日本語) ディスカッション・ペーパー(英語) ポリシー・ディスカッション・ペーパー(日本語) ポリシー・ディスカッション・ペーパー(英語) テクニカル・ペーパー(日本語) テクニカル・ペーパー(英語) ノンテクニカルサマリー 英文査読付学術誌等掲載リスト Research Digest 政策分析論文 調査レポート 論文検索サービス 出版物 RIETIブックス(日本語) RIETIブックス(英語) 通商産業政策史 著者からひとこと RIETI電子書籍 年次報告書・広報誌(RIETI Highlight) その他出版物(日本語) その他出版物(英語) イベント シンポジウム ワークショップ BBLセミナー 終了したセミナーシリーズ データ・統計 JIPデータベース R-JIPデータベース CIPデータベース JLCPデータベース 日本の政策不確実性指数 産業別名目・実質実効為替レート AMU and AMU Deviation Indicators JSTAR(くらしと健康の調査) RIETI-TID 長期接続産業連関データベース マイクロデータ計量分析プロジェクト 海外直接投資データベース ICPAプロジェクト リンク集 コラム・寄稿 コラム Special Report EBPM Report フェローに聞く フェローの連載 世界の視点から 特別コラム 新聞・雑誌等への寄稿 特別企画 経済産業ジャーナル RIETIについて 個人情報保護 ウェブアクセシビリティ方針 RIETIウェブサイトについて サイトマップ ヘルプ お問い合わせ 経済産業省 独立行政法人経済産業研究所(法人番号 6010005005426) 当サイト内の署名記事は、執筆者個人の責任で発表するものであり、経済産業研究所としての見解を示すものでは有りません。掲載している肩書や数値、固有名詞などは、原則として初掲載当時のものです。当サイトのコンテンツを転載される場合は、事前にご連絡ください。 "ページの先頭へ戻る

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