ソフィア・ケニン

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おそらく、貿易はスケープゴートにしやすいからだろう。しかし、貿易に起因する再分配が他の形態の競争や技術変化よりも大きな議論を巻き起こすのは、これ以外のより根深い問題による。国内の規範や社会合意に反するという理由で、国内では認められていない種類の競争が、ときとして国際貿易では行われている。このような「禁止された取引(blocked exchanges)」(Walzer 1983)が貿易によって可能になる場合、分配の正義という意味で難しい問題が生じる。人々の反感を引き起こすのは不平等そのものではなく、不公平感である。 金融のグローバル化は、経済全体に利益をもたらすという点で、おおむね貿易と似ている。しかし、金融のグローバル化に対する経済専門家の現時点での見方は、せいぜい賛否相半ばというところである。懐疑的な視線の大半が向けられている先は、金融危機やその他の過剰な事態と関連した、短期的な資金のフローである。長期的なフロー(特に海外直接投資)は、おおむね好意的に受けとめられている。海外直接投資は安定性が高く、成長の呼び水となる。一方で、海外直接投資は税制や交渉上の力関係を変化させ、労働者に悪影響を与えているというエビデンスもある。 資本流入に関わる景気の波は、以前から発展途上国で見られる現象である。世界金融危機以前、主に貧困国特有の問題だと考えられていた。制度と規制が整備されている先進諸国は、金融グローバル化による金融危機とは無縁と思われていたが、事実でないことが明白になった。米国では危機発生前の数年間に、すでに住宅バブル、過剰なリスクテイク、過度の借り入れが起こっていたが、海外からの資本流入がこれらの問題にさらに拍車をかけた。ユーロ圏では、地域規模での金融統合がさらに大きな役割を果たしていた。金利の一本化によって融資の拡大が後押しされたものの、米国で危機が発生した直後に信用が枯渇し、最終的にはギリシャ、スペイン、ポルトガル、アイルランドでは景気の急減速と長期的な不況に見舞われた。 さらに、金融グローバル化は、金融危機の発生頻度や重大性に及ぼす影響を通じて、各国内の分配にも悪影響をもたらしているようである。最も注目すべきは、Furceri et al.(2017)による最近の分析で、224回にわたる資本勘定の自由化に関する調査である。Furceriらによると、資本勘定の自由化によって、労働分配率が統計的に有意に、かつ長期的に低下していること、それに呼応して所得格差を示すジニ係数が上昇し、所得上位のそれぞれ1%、5%、10%の所得シェアも増加しているという。加えて、資本の流動化によって、税負担や経済的ショックの悪影響が、固定的生産要素である労働者へとシフトされているという。 ポピュリズムの巻き返しは予想できてもその具体的なかたちについてまで予想することは容易ではなかった。ポピュリズムにはさまざまなタイプがある。ポピュリズムを左派と右派に区別することは有用であるが、それぞれポピュリスト政治家が強調・重視する社会的分断の違いによって区別される。米国の進歩主義運動とラテンアメリカのポピュリズムの大部分は、左派タイプである。ドナルド・トランプ大統領と昨今の欧州でみられるポピュリズムは、(示唆に富む一部の例外を除いて)右派タイプである(図2)。反グローバル化において、右派対左派の構図が現れた理由は何だろうか? 図2:欧州とラテンアメリカで対照的なポピュリズムのパターン 注:出所と手法についてはRodrik (2017)を参照。 反応がこのように異なるのは、各社会がグローバル化の影響をどのように捉えているかに関わると思う(Rodrik 2017)。移民や難民といった形でグローバル化の影響が現れる場合、ポピュリスト政治家にとっては、民族国家的・文化的な分断を利用するほうが容易であり、欧州の先進諸国で広く見られる。一方、グローバル化の影響が主に貿易、資金調達、海外投資といったかたちで現れる場合、所得・社会階級を利用するほうが容易である。こちらは南欧やラテンアメリカのケースである。最近、両方の影響が顕著に見られる米国では、両方のタイプのポピュリズムが生まれている(バーニー・サンダースとドナルド・トランプ)。 ポピュリズムの台頭を需要面と供給面に区別することは重要である。グローバル化によって悪化する経済的不安と分配の問題は、ポピュリズムの基盤を生み出すが、必ずしも政治的な方向性を決定づけるものではない。どのような分断が相対的に目立っているのか、ポピュリズムの指導者が何を語るかによって方向性が定まり、人々の怒りを満足させるのである。この区別を見落としてしまうと、ポピュリスト政治をもたらす経済・文化的要因が果たすそれぞれの役割がわかりにくくなってしまうかもしれない。 最後に、これはグローバル化だけの影響ではないし、必ずしも最重要でもないということを強調しなければならない。技術変化、勝者総取り市場の台頭、労働市場保護政策の形骸化、賃金格差を制限する規範の衰退など、どれもが一定の役割を果たしている。こうした変化はグローバル化の影響をまったく受けないわけがなく、むしろグローバル化を促進してきたし、逆にグローバル化によって促進されてきた。そしてグローバル化の影響を小さくすることもできない。むしろ経済史と経済理論はいずれも、「グローバル化の段階が進むとポピュリズムの反発が起きやすくなる」と確信させる理由を提供してくれる。 本稿は、2017年7月3日にwww.VoxEU.orgにて掲載されたものを、VoxEUの許可を得て、翻訳、転載したものです。 本コラムの原文(英語:2017年8月31日掲載)を読む 文献 Caliendo, L, and F Parro (2015), "Estimates of the Trade and Welfare Effects of NAFTA," Review of Economic Studies, 82: 1–44. Furceri, D, P Loungani and J D Ostry (2017), "The Aggregate and Distributional Effects of Financial Globalization," unpublished paper, IMF, June. Hakobyan, S, and J McLaren (2016), "Looking for Local Labor Market Effects of NAFTA," Review of Economics and Statistics, 98(4): 728–741. Rodrik, D (2017), "Populism and the Economics of Globalization", CEPR Discussion Paper No. 12119. Walzer, M (1983), Spheres of Justice: A Defence of Pluralism and Equality, Martin Robertson: Oxford. ツイート 2017年11月6日掲載 印刷 この著者の記事 ポピュリズム巻き返しの経済学 2017年11月 6日[世界の視点から] コラム・寄稿 コラム Special Report EBPM Report フェローに聞く フェローの連載 世界の視点から 特別コラム 新聞・雑誌等への寄稿 特別企画 経済産業ジャーナル 情報発信 ニュースレター 更新情報RSS配信 Facebook X YouTube 研究テーマ プログラム (2024-2028年度) プログラム (2020-2023年度) プログラム (2016-2019年度) プログラム (2011-2015年度) 政策研究領域 (2006-2010年度) 経済産業省共同プロジェクト プロジェクトコンテンツ 調査 フェロー(研究員) 論文 ディスカッション・ペーパー(日本語) ディスカッション・ペーパー(英語) ポリシー・ディスカッション・ペーパー(日本語) ポリシー・ディスカッション・ペーパー(英語) テクニカル・ペーパー(日本語) テクニカル・ペーパー(英語) ノンテクニカルサマリー 英文査読付学術誌等掲載リスト Research Digest 政策分析論文 調査レポート 論文検索サービス 出版物 RIETIブックス(日本語) RIETIブックス(英語) 通商産業政策史 著者からひとこと RIETI電子書籍 年次報告書・広報誌(RIETI Highlight) その他出版物(日本語) その他出版物(英語) イベント シンポジウム ワークショップ BBLセミナー 終了したセミナーシリーズ データ・統計 JIPデータベース R-JIPデータベース CIPデータベース JLCPデータベース 日本の政策不確実性指数 産業別名目・実質実効為替レート AMU and AMU Deviation Indicators JSTAR(くらしと健康の調査) RIETI-TID 長期接続産業連関データベース マイクロデータ計量分析プロジェクト 海外直接投資データベース ICPAプロジェクト リンク集 コラム・寄稿 コラム Special Report EBPM Report フェローに聞く フェローの連載 世界の視点から 特別コラム 新聞・雑誌等への寄稿 特別企画 経済産業ジャーナル RIETIについて 個人情報保護 ウェブアクセシビリティ方針 RIETIウェブサイトについて サイトマップ ヘルプ お問い合わせ 経済産業省 独立行政法人経済産業研究所(法人番号 6010005005426) 当サイト内の署名記事は、執筆者個人の責任で発表するものであり、経済産業研究所としての見解を示すものでは有りません。掲載している肩書や数値、固有名詞などは、原則として初掲載当時のものです。当サイトのコンテンツを転載される場合は、事前にご連絡ください。 "ページの先頭へ戻る

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